肉の動画でも見ようと、何となく見始めたドキュメンタリーの感想です。
フランスのおっちゃんが、自国にいれば自国の牛が一番だと思うけど、ちょっとでも外に出たら違うと旅に出る。
そこで食った肉を飲食店単位でランキング。
そのうまさの秘訣にも迫るという構成だけど、牧草至上主義、アンチ穀物餌が大前提。
「俺の考えが正しいんだ、最先端なんだ」的な西洋特有の思想押し付け感はありますね。
牧草がエコらしい……。
牛「ゲフッ」
和牛が3位にランクインしてるけど、食ったときの反応は、明らかに一番うまそう。
1位の肉を食ったあと、「和牛よりもうまい」と言ってるけど、なんか淡々としている。
あの和牛を食ったときの「信じられない」という顔は超えてない。
私も松阪牛なんて、食ったことないけど、うまいんだろう。たぶん。
そう思える顔だった。
とはいえ、向こうの人は「脂身 < 赤身」みたいな評価があるのは知っていたので、霜降りの評価が下がるのは想定内。
それでも、「脂身に、旨味があるのに気づいた」みたいな展開はありました。
でもって、ボディビルダーのような自国の牛だけ食ってれば、海外の柔らかい肉に度肝を抜かすだろうとも。
* * *
個人的には、あの硬そうな肉も食ってみたいし、何より日本にはない厚切り肉の雰囲気に、ちょっと好奇心が刺激されます。
きっと、少し食べたら「後は、いいや」ってなるんだろうけど。
逆に、海外の肉を見た後だと、薄くスライスした肉がパックに詰められ、販売されている日本は珍しいのかもねと思った次第。
調理しやすい薄切りの方が、やっぱ助かるよね。
ある店の販売員が言っていたように「肉は主食じゃない」からね。
ある店の販売員もだったけど、登場する日本人はインタビューに慣れていない。
他国が、いかにもなドキュメンタリーのインタビューなのに対し、日本だけビデオレター感覚。
よく言い直すし、段取りっぽい言葉もそのまま……。編集しようよ。
穀物の餌を見て、「これはエコじゃない」と言われるのは、何かなぁ。
広大な土地があり、放牧して草を食わせられる場所と、こっちじゃ育て方も違うって。
* * *
で、そんな和牛を食った後、スウェーデンだかの「iwagyu.se」ですよ。
和牛の胚を移植してどうとか言っていました。
それを増やして、スゲー高値で販売してる。まるで、国産の苺を……以下略。
和牛の精子を海外に持ち出すのは禁止されてるけど、研究目的でオランダに渡ったそれから繁殖され、世界に広まったという話もありました。
そうまでして広げられることに、求められるほどの品質が証明されたような気がしないでもない。
ちなみに、1位になったのは15年ものの牛。
他の畜産業の人も驚いていたけど、半年とかで屠畜するのに、そんなに育てるのかよっていう……。
仔牛の方が、肉が柔らかいし、育てるまでに必要な餌の量も違う。
商売を考えたら、15年はあり得ない。
そのあり得なさは、体の大きさに繋がるんですよ。
めちゃくちゃデカい。
他の生き物のようでした。
あとはまぁ、熟成肉みたいな話もしていたかな?
* * *
見終わって思い出すのは、「伝統的なイギリス嫌い」があるから、向こうの牛の方が旨いなんて、認められないみたいな言葉。
面倒な人たちなんだね……。
その素直じゃないところが、各所で垣間見えたドキュメンタリーでした。