タイトルは、『オニールの成長株発掘法 【第4版】』の一文からです。
データの元は、1986年に発表されたスタンレー・ロスマンとロバート・リクターによる『ザ・メディア・エリート』にあるそうです。
根拠となる取材の対象者は次の通り。
・240人の記者
・主要三紙(ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポスト)の役員
・報道雑誌三誌(タイム、ニューズウィーク、USニューズ&ワールド・リポート)
・4つのテレビ局(ABC、CBS、NBC、PBS)の報道部門
その聞き取り調査で、85%がリベラル派でした。
1964年、1968年、1972年、1976年の国政選挙では、民主党の候補に投票したそうです。
共和党に入れた報道記者は6%だったという別の調査結果もあるとか……。
それを受けての「一流国内報道記者の85%がリベラル派」でした。この国内は、言うまでもなくアメリカのこと。
「共和党 下げ」の「民主党 上げ」な報道が多くても、「支持者が多いもんな」と言えてしまう数値です。
『オニールの成長株発掘法 【第4版】』は株価の分析本なので、「情報の見方」として報道におけるバイアスへの注意喚起をしているわけですが、想像以上の割合に少し驚きました。
なんで、こうなんでしょう?
その辺のことを自分なりに考えると言いますか、妄想してみようと思います。
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「メディアの役割は、公権力に対する監視」
そういう側面もあるでしょう。
巨大な力に牽制を入れる存在……。
その存在価値を最大限に発揮できるのは、政府関係者の不正を正すとき。
ジャイアントキリング気分を味わいたくて、ネタを追っかけてる人もいるかもしれません。
そう思えば、それを求めるのは不思議じゃない。
結果、政府関係者や役人への敵対心を強め、反政府的なポジションを取りがちに……。
そういう傾向はあるでしょうが、それだと片方の政党だけを贔屓する動機は見えてきません。
どうして、彼らはリベラルが好きなんでしょう?
「リベラル」VS「保守」だとしたら、より多くのニュースが生まれるのは、どちらか?
「保守」と字面を見れば、変化を嫌いそうなもの。
変化が無ければ、事件もない。
人が読みたい記事が減れば、取り扱う媒体の需要が落ち、広告収入が……。
となれば、良い悪いを気にせずに、ニュースを提供しそうな方に飛びつきたい。
そう考えられなくもない。
* * *
ここで日本のケースを持ち出すと、リベラルが護憲で、保守が改憲になってて、話が面倒になりますけど……。
何というか、日本のそれは「何かに反対する人連合」なもんだから、「Aが嫌いな人はBも嫌いじゃないと、うちの組織には入れてあげない」という感じのリベラル風アンチ連合会じゃないかと。
「若者が自由に意見するデモ」みたいなのがあったけど、不都合な主張を始めた参加者は、即行でつま弾きにされて、まったく自由が無かったし……。
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話を戻します。
最初に「公権力に対する監視」の側面を書きました。
広告収入のことにも触れました。
この2点が強力に結びつくスポンサーがいます。
どこでしょう?
それは、他国です。
Uという国を侵略したいCという国があったとします。
CはUのメディアに広告を出し、スポンサーとなって発言力を強めて言うのです。
「あの党、ディスってよ。うちの国にとって、不都合なんだ」
こうなると、メディアにとっては美味しい。
広告収入は入るし、その金で誰かを叩いて、失墜させられるかもしれない。
失墜させられれば、大手柄だ! 特ダネで名をのこすぞ!
そして、「公権力に対する監視」が、特定の勢力のみに向けられる……。
片方を持ち上げ、もう片方は貶す。
持ち上げた方の欠点には目をつむり、貶す方の欠点は広げて見せる。なければ、捏造さえする……。
極端な例を挙げれば、支持者とは そういうもの。
宣伝とは、そういうもの。
なるほど、こう考えるとグローバル社会においては、報道における海外スポンサー割合を気にしないとダメだなとか、思えてきます。
規制しろよって?
無理でしょう。
そんなことをしたら、食っていけなそうだもの。
知らないけど。
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「当局は、国内スポンサーのみでお届けしています」
こんなアナウンスが……まぁ、いいや。