「どうして、楽をしようとするの?」
小学校 低学年の時、担任の先生が泣きながら言った言葉です。
なぜ、泣いていたのか。
それは、課題に対する児童の反応が、「楽をするもの」だったから。
確か、課題は絵本作り。
絵の無い文章を読み、絵本にするというもの。
で、児童たちが取った行動は、より短い物語を探し出し、より少ない労力で絵本を完成させるというもの。
そうじゃない子もいましたが、大半は上記のそれ。
これが、「どうして、楽をしようとするの?」に繋がるわけです。
他にも色々と言っていましたが、覚えているのは「どうして、難しいものに挑戦しようとしないの?」という言葉。
書きながら、今でも覚えている自分に対し、ちょっと驚いていますね。
まぁ、誰よりも早く短い絵本を完成させたのが私で、それを目の前で先生に破り捨てられたのが、長期記憶として残る要因になったのかも。
今となっては、「難儀なものにチャレンジ」という方針があるのなら、先に伝えてほしいと思いましたが、「実際には言っていたけど、聞いていなかった」ことも考えられるので、そこは置いておきます。
ちなみに、先生の言うことは、1から10まで聞いているタイプでした。
* * *
なぜかは わかりませんが、上のことを最近になって思い出したんです。
それで、楽をしようとするのは、当然のことだよなと……。
「今より楽をしたい」と工夫し、「いいもの」を生み出してきた。
だから、発想としては当然。
それに反し、「難儀なものにチャレンジ」という方針を打ち出すなら、その意義を提示しなくては片手落ち。
「この課題の趣旨は、〇〇です。難しい課題に挑戦することで、こんなメリットがあります」と、何となくでもわかるように言ってあげること。
それが必要ではなかったのか……。
課題を早く終わらせ、残りの時間を好きなように使える。
それに優るメリットが必要なわけです。
時間内に完成しなかったら、それは宿題になってしまい、放課後の自由時間を奪われるわけですからね……。
* * *
小学生に、そんな説明をしても……。
そう思わないでもないですが、伝わる子には伝わるでしょうし、大きくなって思い返すこともあるでしょう。
なので、「どうせ、わからないだろう」ではなく、「言うだけ、言っておく」方が、互いにスッキリするんじゃないのかなと。
それにしても、なんで絵本だったんだろう?
授業の進みだって遅くて、ある教科の「上・下」の「下」の教科書は、「あとで読んでおいてね」で済ませるくらいだったのに……。
それよりも絵本って?
どこかの教育関係者が、「これからは、これ!」みたいに言って、影響を受けたんだろうか……。
それなら、メリットなんか説明できるはずもないか。
他人の意見だもの。
* * *
これを今になって思い出したのは、きっと何か無駄なことを続けているからだろう。