タイトルが「株価暴落」ですが、ほとんど銀行の融資をめぐる物語です。
株価はオマケ程度。
なので、「株の話だぁー!」とか思ってみると、肩透かしを食らうかも。
せいぜい、株が下がりましたね、信用取引でXXしたら……くらいのもの。
一応、伏字にしましたけど、あまり意味ないかな?
主人公は銀行員の織田裕二、主な敵役は同じ銀行の高嶋政伸。
二人がキスしそうくらい顔を近づけて、顔芸を披露するのが見どころ。
半分、嘘です。
「一風堂」という小売り大手に対する融資をめぐる話で、審査部の織田さんが今の再建計画では融資できない派、高嶋さんが個人的な都合で融資しろよ派。
それでバチバチしながら、過去の悲惨な話とか、株価暴落のキッカケとなる爆弾騒ぎとか、そういったのが同時展開していく流れ。
そこに出てくる裏がありそうな面々……。
「誰が、どんな悪いことをしたのか」を気にさせるような作りです。
ただ、最初の爆破シーン。
一風堂の経営陣の車が爆発ポイントの近くで停車していたんですけど、「すぐに車を出せ」って感じだったんですよね。
現場、離れます? 経営陣が、確認もせずに。
防犯カメラに映っているんで、それを見た警察も突っ込んでほしいところ。
「あんたらの店でデカい音がしたのに、確認しようともしないなんて、経営陣としてどうよ?」とか。
誰か一人でも、「なんだ今のは?」くらい言ってほしいです。個人的には。
後で真相がわかっても、それは変わらず。
* * *
真相から遠ざけるためのミスリード要員も出てきますが、わかりやすいミスリードなので、気にならないかも。
むしろ、気になるのはキャスティング。
特に容疑者となる青年の彼女、看護師役の人。
白衣を着ても、まったく看護師に見えない。
子どものコスプレに見えると言いますか、病院で働いている感じがないんですよね……。
一人だけ、圧のない芝居をしているので、浮いていることもありますけど。
容疑者となる青年も、友人と似たような髪型なので、ちょっとね。
二人とも髪をおろしているので、角度によっては見分けがつかない。
特に、登場人物の顔を覚えきれていない序盤だと……。
そういう意味で、もっと特徴の違う配役にしてほしかったと、若い役者陣に関しては思うわけです。
ついでに言うと、セリフが聞き取りづらいこともあったような……。彼女役とかね。
「一風堂」のアクセントの置き方次第では、「ぶどう」に聞こえるくらいイマイチ。
「いっぷうどう」の「い」を強く言わないと、中ほどと最後だけ響いて、「ぶどう」になるという……。
その一風堂。
ロゴデザインなどはト一屋を彷彿とさせますが、ダイエーも思い出しますね。
懐かしいですね、価格破壊。
* * *
5話と長くないので、映画を1本見るくらいの気分で、「銀行舞台のドラマが見たいな」という人にはいいかも。
そういや、このドラマの頭取役、ちょっと前に見たメガバンク最終決戦でも、頭取でした。たぶん。
あっちも同じくらいの長さだったはず。
これを見る直前に「七つの会議」を見ていたので、池井戸潤作品が続いたわけですが、パワハラ上司とコンプラ違反は、デフォルトな作者なんでしょうか?
ちょっと気になりました。
それはそれとして、「七つの~」の野村萬斎 狂言を見ているので、こっちのオーバー演技は、そこまで抵抗感なく見れました……。
いいことなのか、知りませんが。
ハマればハマるクセの強さですが、演技のアクが強すぎて、集中できない人もいるでしょう。
急に歌い出すミュージカルのような場違い感が、狂言演技にはありますね。