楽天という会社を過大評価すれば、商品やサービスなどを「選ばなくていい」が、最大の売りになるという話。
つまりは、楽天経済圏。
何だかんだ言って、楽天ポイントを貯める方向で考えれば、「一番得」といかないまでも、「情弱」にならずに済む……。
そんなレベルまで行けば、あれこれ調べて選択する手間がなくなり、利用者は「選ぶ」という作業から解放される。
それこそが、楽天の意義。究極目標。
大げさに書くと、そんな感じ。
「世の中、いろんなサービスが溢れて、選ぶのも大変でしょう?」
そこで、ポイントで繋がった楽天のサービスを選択。
銀行は楽天銀行、株は楽天証券、買い物は楽天市場、宿泊予約は楽天トラベル……。
ひとつのIDで、全部を管理。
楽でしょ?
それでいて、証券会社の手数料は安め。
対面式に比べればね。
銀行だって、メガバンクよりも、金利が上。
マネーブリッジすればね。
楽天市場だって、送料問題で揉めたけど、3,980円で送料無料になる店舗が増え、商品検索すれば「39ショップ」と表示される。
送料に引き続き やらかしたモバイルも、そんな流れにあるんでしょう。
それで行き着く先が……
「楽天のサービスを選べば、損をしません。これで、選ばずに済みます」
となれば、「選ぶの面倒マン」が殺到。
右手には楽天カード、左手には楽天回線のスマホを持ち、楽天ポイントが貯まる店を巡り歩く……。
お昼は、マック。
デザートは、ミスド。
夕食は、はま寿司。
プロントで酒を飲み、帰りにコジマで家電を買う。
* * *
こんなのは、序の口。
いつの日にか、楽天ライフ・プランが登場し、人生設計を手伝ってくれるはず。
誕生したその日から、幼児教育、進学アドバイス、就職アドバイス、引っ越し手配、結婚絡み、住居絡み、そして葬式……。
増え続ける「楽天なんとか」というサービスが形成する独自の経済圏では、もはや現金を使うこともなく、楽天ポイントのみで消費が行われる……。
そのうち、企業の仕入れにも使われて、「消費税? 何それ美味しいの?」と言われる始末。
まぁ、それはないとして、そこまで拡大すれば、「楽天ナビ」として人生設計してくれるサービスが生まれ、人生の選択を託す人が増えるかもしれません。
人は、何かを選ばなくてはいけない。
故に、選ばなかった選択肢の方が良かったのではないかと後悔する……。
その後悔からの永久解放。
楽天を過大に評価し、大げさに捉えれば、そういう帰結になるという妄想でした。
* * *
こういう話を書くと、何か言いたくなる人もいるでしょう。
「この会社、好きじゃない」
「見づらいんだよ、商品ページ」
「新卒で入ったら、楽天カードのノルマが……」
そんな感じのやつね。
私個人としては、熱烈な支持者でもないですし、アンチでもありません。
ただ、行く末が気になる企業ではありますね。
気になると言っても、1時間越えの決算説明会 動画を見たりはしません。
なんか、ぼんやりと動向を眺めているだけ。
そんなところ。