メモ書き

****

「復活の日」の感想|なぜ、死体と会話する必要があったのか

https://www.amazon.co.jp/dp/B00FIWTBBO/

このタイミングで「観てはいけない映画」のような気もしますし、このタイミングだから「注目される映画」でもあります。

えっとまぁ、ウィルスによって世界が滅ぶ感じの作品なので。

アマゾンプライム対象で、目立つ位置に表示されていたから見てみましたが、率直な感想を言えば「昔の邦画で、こんなに金をかけたのが あったのか」です。

世界が舞台で、役者もワールドワイド。

逆に、世界の役者が大集合した作品なので、演技メソッドの違いみたいなものを感じることも……。
差し詰め、演技博覧会。
海外キャストは母国語を話し、字幕が出るスタイルです。
日本の役者も、海外勢と話すときは英語。

とはいえ、昭和基地での演技だけ、なんかクドい。
ノリが明らかに異質。

国内の病院も、あまり洗練されていないというか、舞台演劇に近いオーバーさを感じてしまうことも。
あと、あの衛生環境は酷い。あれじゃ感染者を増やす場所になってる……。

といった演技の話をした後で、ネタバレを含めた本編の感想。

先に書いておきますが、割と退屈だったので、何度か見るのを中断しています。

* * *

おおまかな流れは、兵器仕様だったウイルス「MM-88」が拡散。
世界各国で大変なことに……。

病気の名称は「イタリアかぜ」で、ミラノでは赤子を抱いた母親たちの映像も。
あれは、ワクチンを求める人々、だったのかな?
この辺、眠かったので覚えてない……。

ウィルスには、寒いところで毒性がなくなるという性質があるので、南極にいる観測隊は無事。
無事な連中が集まって、生きていくみたいな感じです。

こういう滅亡系ストーリーだと、ラストは「新たな生命の誕生」とか、「何らかの問題解決」で希望を見せ、「俺たちの戦いはこれからだ」的な締めくくりを予想してしまいます。

その方が、見ている側はスッキリした気持ちになるので、そういう構成が多くなるのでしょう。

ところが、「新たな生命の誕生」は、早々にやってきます。
観測隊大集合の際、たまたま立ち寄った他国の基地で、妊娠した女性と遭遇。
結果的に、出産します。

このとき、出産した女性に付き添っていた地震学者が、主人公ポジション。
付き添って仲良くなったものの、彼女との関係は進展しません。
基地では圧倒的に女性が少なく、子孫繁栄のために……という流れで、彼女には別の男性が割り当てられる。

その後、何かの採掘からの地震発生で、自動反撃する核ミサイル装置が云々で、核による危機が近いと知り、それを阻止すべく主人公たちが動くことに。

先に書いたパターンで言うと、「何らかの問題解決」ですね。

結論から言うと、これは失敗します。

どこまでも、滅亡を突き進むストーリー。

「延々と破滅を見せられ、何を楽しめと?」

これは、パニック映画にも言えることですが、SF映画は特にそう。

「どうだ、俺の未来予測は凄いだろう」

みたいに思えてきます。
仮に、予測が正確であっても、エンターテイメントとして、面白いかは別の話。

滅亡系は、カタルシスを得るポイントが難しいジャンルだと、個人的には思います。
敵が現れ、それを倒せば平和になる。そういった類いのシンプルさとは無縁です。

この作品の場合、特効薬ができたとして、既に人口は激減して絶滅寸前ですから、どうやって「復活」を迎えるのか。タイトルが「復活の日」だけに、気になりますよね。
最後まで見る動機は、もはや その一点になります。

「どうやって、この物語にオチをつけるのか」

それを確認するためだけに見続け、「はぁ?」という結末を迎えます。
核によってとどめを刺された後、徒歩で南に向かった主人公と、例の女性が再会して“おしまい”です。
会ったところで、食糧不足で死が見えている。そんな状況での再会。
奇跡の再会。
そりゃ、GPSも電話もない状況で会うのは奇跡的ですよ。ご都合主義と言えるくらいに。

う~ん……。

この2時間36分は、何だったのか。

もしかして、滅亡系は「ホラー映画」みたいに、「怖いよ~」とビビりながら、見るものなんだろうか?

よくわかりませんが、最大の驚きは死体との対話です。

おそらくは核によって砂漠化した土地。
そこを進んだ末に主人公が教会に辿り着くと、なぞの字幕が表示されます。
人の台詞っぽい字幕です。
でも、誰もいません。
そこにあるのはキリストの像と、白骨死体だけ。

会話するように字幕が続きますが、誰も言葉を発していません。
そのうち、カメラのピントが白骨死体に合い、主人公と死体の会話だと気づかされます。

「いつから、死者と話せるようになった?」

そんな突っ込みをしながら、妙に楽しくなってきます。
今までの展開に比べ、超展開過ぎて、面白くなってきたんです。

「なぜ、死体と会話する必要があったのか」

それを考えると、別に面白くもないんですけどね。
ぶっちゃけ、会話相手がいないと、状況を説明できないんですよ。

主人公は、何処へ向かっているのか。
その目的地と移動理由を先に示さないと、この後の再会が意味不明。
でも、人は死に絶え、会話相手がいない。

独白という手もありますし、日記をつけさせて、そこで明かす手法もあるでしょう。
でも、そうしなかった。
その結果が、あれ。
日記すらない世界なのは想像できますが、だからってねぇ……。

小説と違い、映像で心情を伝える方法は限られます。
そこに難しさはあるでしょう。でも、ねぇ……。

教会を訪れたことで、キリストの復活を予感させたとしても、誰もいない世界で復活しても意味がない。
なもんで、どこが「復活の日?」となるわけです。

ということで、「滅亡したら、何にもいいことがない」のを知るには、いい映画です。