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アマゾンプライムの対象になっているドキュメンタリーの感想です。
端的に言えば、「デモクラシー・ナウ!」の宣伝でした。
「デモクラシー・ナウ!」は、アメリカの独立系メディアです。
作中では、オルタナティブ・メディアと表現されていました。
タイトルは、I.F.ストーンの「すべての政府は嘘をつく」から。
I.F.ストーンは、政府関係者の発言や文字情報から“嘘”を見抜き、個人雑誌でユーモアを交えて紹介してきた人物。
そんな紹介だった気がします。
その個人雑誌の購読者には、マリリン・モンロー、アインシュタインがいてと、知らない人向けに権威性を増すポイントも抑えています。
I.F.ストーンを持ち上げ、そんな『彼の報道姿勢を受け継いだ、現代の独立系ジャーナリストたち』と繋げることで、より権威を高めている構成となっています。
まぁ、タイトルこそ彼の言葉ですが、“本作と彼の直接的な繋がり”は、見られませんでした。故人の名を担いでる感があるという話。
I.F.ストーンは、30年近く前に亡くなられた方なので、接点ゼロの独立系ジャーナリストも多いでしょう。
一応、接点があった人物としては、マイケル・ムーアが出てきます。
「彼の遺志を継いだ」的なことを言っていますが、どうなんでしょうね……。言うだけなら、誰でも言えます。
彼の作品では、『華氏911』が有名だと思いますが、見ていないので何とも。
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は見ましたが、彼の主張に都合の良い面だけを見せられている感は拭えません。
ただ、海外の刑務所、あるいは刑期を務める場所の映像は、ちょっと貴重かも。
本作の感想に戻ります。
基本、政府批判と、その根拠。
象徴的なのは、メキシコとの国境付近の場所で、数多くの移民が埋められていた件ですかね。
白骨死体の身元確認や、黙殺したとされる判事への追及などがあります。
また、この件をテレビ局に持ち込んでも、大きく取り上げられないという一面も。
埋められていたのが移民じゃなく、犬なら騒ぎになった。移民は仕事を奪い、経済を悪化させる存在だから、多くの人が関心を持たないという見解でした。
薬品メーカーをスポンサーにしたら薬の批判はできない、食品メーカーを……以下略。
そんなスポンサーあってのメディアとは違うと、彼らの存在意義も示されていました。
ちなみに、彼らの収入源は有料会員向けサービス、それと活動を支援する団体。どこだったかは忘れました。
「マスゴミに比べて、彼らにはジャーナリズム精神がある! もっと褒めろ」
と言う人がいるかもしれませんが、個人的には あまり……。
その理由は、先に書いた構成から窺い知れる“何か”ですかね。
彼らが取り扱う問題を問題じゃないとは思いませんが、何かこう妙な引っかかりを感じてしまうんですよね。
「政府の嘘」というか、おかしな理屈は、「大量破壊兵器があるから、攻撃するぞ」だけで充分ですよ。
核兵器を山ほど持ってる国が、他国に大量破壊兵器があると言って攻撃するんですからね。
攻撃される側からすれば、「お前が言うな」ですよ。
でも、アメリカ目線で見ると、「ならず者国家が持つのと、世界の警察が持つのでは、意味が違う」「俺たちは持ってるけど、これからは核拡散防止」となるわけです。
「自分たちは制御できる」ので、「奴らとは違う」のです。キューバ危機は、あったけど。
変な理屈でも、自分たちにとってベターなら、嘘でも真実でも構わない。
そんなもんなんでしょう。
だから、国益優先でおかしな理屈をぶつけてくる国が少なくない。
協力と非協力では、非協力が得をする。
非協力と非協力では、お互いに損をする。
協力と協力では、お互いに得をするが、裏切った方が得だった。
なもんで、非協力を選びがち。
このゲーム、どんな戦略が有利かというと、確か応報戦略なんですよね。
やられたらやり返すけど、でなければ協力というもの。
協力至上主義だと、カモられるんですよ。非協力主義者に。
話が変わってしまいましたが、感想は最初に書いた通りです。