「それって、立派な犯罪だよ」
と、悪いことをしている自覚がない人に、言うことがあります。
でも、よくよく考えたら、変な言葉だよね。
「犯罪」なのに「立派」とか。
立派とは……
- 非常に素晴らしいさま
- 堂々としているさま
- 非難する点のないさま
大辞林によれば、そんな意味。
おそらく、「非難する点のないさま」の別解釈で、非難しようがないほど疑いなく「犯罪だ」と捉えるべきなんでしょう。
「立派は多義的だから」と言ってしまえば、それまで。
しかし、敢えて「立派な犯罪」とやらを考えてみました。
そもそも犯罪とは、法によって禁じられ刑罰が科される事実や行為。
この法律が誤っているとすれば、倫理的に「立派な犯罪」とやらが生まれるのではないか。
例えば、ハンムラビ法典では「子供は親の所有物」のように書かれていますが、現代からすれば「誤っている」という認識。
当時の時代背景を考え、正誤を判断すべきでしょうから、例としては相応しくないですが、こういう「かつては正しく、今は誤っている」ものが、現行法の中に放置されている。
そして、そこを突く犯罪であれば、立派という形容動詞が使えるんじゃないか。
そんなバカなことを考えましたが、探すのも面倒なので辞めることにしました。
思い出すのは、下記の事例くらい。
秋田市消防本部(佐藤正敏消防長)の救急救命士が、医師だけに認められている気道確保処置「気管内挿管」を恒常的に行っていた疑いが強まり、同本部は9日までに内部調査を始めた。これまで20人いる救命士の多くがかかわっていたとみられ、同本部は今月から、全員を対象に2週間の「再教育研修」を開始した。
(中略)
救命士が男性患者に、医師しか使えない挿管器具で処置した事例が明るみになり、同本部側は市議会総務委員協議会に「人命を優先させ、緊急避難的に行った」などと報告。