メモ書き

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ドラマ「ウォリアーズ 歴史を動かした男たち」の感想

いわゆる歴史ものドラマで、史実を元に、歴史家の監修付きで制作されています。

総制作費は35億円。
合戦の様子が凄いですね。
攻城兵器とか、作ってますし。

でも、BBC英国放送協会)のドラマなので、どうしたってヨーロッパ視点です。

世界を動かした6人の覇者の物語ですが、たぶん 一番 つまらないのは2話目。
取り上げるのは、「徳川家康 -決戦!関ヶ原-」です。
英語で話し合う武士たち……。なんでしょう、この違和感。
映像としてはクオリティが高いはずなのに、ぞわぞわした感覚が収まりません

題に「決戦!関ヶ原」と入っていますが、他のに比べて色々と地味。全然、決戦感がない。

信長の名前は出てきませんが、謀反の疑いをかけられた長男を自害させた件をピックアップし、それを小早川秀秋に重ねている感じの演出になっています。
個人的には、小早川を美化し過ぎに思えましたが、そんなに詳しくもないので、まぁスルーしましょう。

全部を描いてる時間は無いので、いろんな諸侯へのお手紙大作戦はナシ。なもんで、本当に小早川との関係性に賭けている感じに……。
徳川秀忠の遅れに関しては、「信濃国上田城に真田氏あり」なんてことは微塵も語られないので、ただの遅刻野郎です。

あと、石田三成の女装脱出とか、そこを拾うよりも……と思ってしまう。
長期政権を現実にした徳川家康を取り上げるとしたら、そりゃ天下分け目の戦を選ぶだろうし、登場人物を絞るために敵の大将と裏切者にスポットライトを浴びせるでしょう。
それは、わかる。

でも、ドラマとしての面白さが、それでは……みたいな?
向こうで流すなら、細川ガラシャでも取り上げた方が、石田三成が敵としてキャラ立ちしたように思うんだけど。どうかな?

じゃ、他の話数ではどこを切り取ったのかと言えば、次の通り。

1話は「ナポレオン -英雄の誕生-」で、トゥーロン攻囲戦。
現場を知らないけど命令を出す中央とか、無能な上官とか、そういった酷い状況下で頭角を出すという黄金パターン。うん、キャラが立ってる。史実は詳しくないけど。


3話は「スパルタクス -ローマへの挑戦-」で、剣闘士になるところから始まり、脱走して反乱したけど、追い詰められて終了まで。
終わり方は、誰でも自由を勝ち取れるみたいな感じ。
まぁ、スパルタクスの反乱は、尺的にも収まるし、登場人物も決まってるか。

4話は「コルテス ―アステカの最後―」で、中米への上陸からアステカの文明を破壊するまで。
ヨーロッパ視点というのを一番 感じさせる回。
歴史的蛮行という一文で始まるので、「コルテスさんの偉業を称えよ」なノリではないです。
しかし、生贄の儀式のアピール度合いに、何かこう「正当化」したい気持ちを感じました。「ほれほれ、野蛮でしょ? 滅亡してもいいよね?」みたいな。
蛮行言うんだから、どれだけ残虐に現地人を殺すか競ったレポートを再現すればよかったのにね。ラス・カサスが、残しているんだし。

ただまぁ、字幕でコロンブスアメリカ大陸を“発見”と、わざわざクォーテーションマークで囲む辺り、「先住民がいて、発見はないだろ」というツッコミができるようになったんだなと、昔の書物と見比べて思いました。

5話は「リチャード獅子心王 -聖なる戦い-」で、十字軍VSサラディンです。
2話続けて、キリスト教

聖地をめぐる戦いは、これから千年経っても続いている……。
というナレーションに、詰まってますね、いろんなものが。
なんか、狩りに行っているシーンが唐突な感じで、いまいち話に入り込めなかった回です。
焦土作戦とか、陸と海の2ルートからの進行とか、そういった戦史としての面白みはありますが、両者が向かい合って威圧勝ちみたいなのは、なんかね。

6話は「アッティラ大王 ―大帝国の果てに―」で、フン族と東西に分かれたローマとの戦いを描いています。
始まりは、貢物で「東へ向かう」と宣言したところ。
ここで色んな部族が集まっていて、王が二人という厄介さが説明されてます、自然に。

こういう説明は、助かりますね。
最終的に「みんな知ってるアッティラ大王」という扱いでしたが、私は知らないんでね。彼のこと。
単語として、フン族は覚えているのに、アッティラは記憶にないんですよ……。

なもんで、アッティラ役の人が、ゲーム・オブ・スローンズのハウンドっぽいなと思いながら見ただけ。
語りは、スキラエ族の人。

戦いのシーンは、この回が1番見ごたえがあった気がします。