メモ書き

****

「記録」として楽しむゴジラ

前に、1954年公開のゴジラ、翌年公開のゴジラの逆襲を見たことを書きました。

att3200.hatenablog.com

見ようと思ったキッカケは、アマゾンプライムの対象になっていたから。

最初に見たのは、1作目。
1950年の映画「羅生門」を見た後、レコメンド機能で出てきたので、何となく見た気がします。

次に、子供のころに見た「ゴジラvsビオランテ」と、その前の作品を視聴。

それから、ビジュアルで気になった「ゴジラ対ヘドラ」を見て、2作目以降を順に見ました。

私は、怪獣映画や特撮に思い入れがある方ではないですし、巨大な生物が街を壊すシーンにカタルシスを感じることもないので、ファンの人からすれば 不愉快な文章を この後に書いているかも……。
なので、先に断っておきます。

まず、1作目を見て驚いたのは、ガイガーカウンターという単語が出てきたこと。
なんか、3.11のあとに多くの人が知ったような気でいましたが、よく考えてみれば水爆実験をしていた当時の方が、そういう言葉を聞く頻度は高かったのかも。

次に驚いたのは、逃げ惑う人々。
確か、大八車が現役だったはず。
「そうか、この当時は……」みたいな記録としての楽しみを、ゴジラから逃げ惑う人々から教わりました。まぁ、勝手な解釈です。

ビオランテとその前で一番 驚いたのは、沢口靖子さんの変わってなさですが、子どもの頃に映画館で見たような記憶があります。
保育園の頃、特撮ヒーローの弁当箱を使っていた記憶はありますが、小学校に入ってからは特撮に触れていなかったので、なんで怪獣映画を見に行っていたのか、よくわかりません。

当時から、怪獣が街を壊すことに面白さを感じていなかったのか、覚えていたのは「スーパーX」に関することくらいでした。
ああいうメカの方が、好きだったんでしょうね。


で、ゴジラ対ヘドラ
ゴジラが空を飛んだのは、驚くというより唖然としましたが、テーマ的なものは良かった気がします。
人の身勝手さが怪獣を生み出す、そういう視点で見ると。

ただ、やっぱり口から出すアレで空を飛ぶなら、体を浮かすだけの力があるわけですから、普段から吐いた際に後ろに押されるとか、そういう描写が……。
と、いうのは野暮なんでしょうね。

そもそも、あの口から出てるのは何?
熱線なんて言われてることもありますが、対ヘドラでは電気を反射させる板に浴びせて、反射していたような……。
人類側の対ヘドラ武器の意図をくみ、ゴジラが利用する流れだっただけに、そんな知能があるならと、あれこれ考えそうになりました。

記録としての見どころは、音楽ジャンルの「ゴーゴー」ですかね。
何かの資料で見かけることはあっても、発音とか わからなかったので、「これが、あのゴーゴーか」みたいな。

あの妙な歌も好きです。水銀、コバルト、カドミウム……
クセになりそう。

この後、2作目から順に見ていこうと思ったのは、少年が「ゴジラが、ヘドラをやっつけてくれる」と言ったからです。
「あれ、1作目では恐怖の対象だったのに、いつからゴジラは そんな立ち位置に?」

その辺が気になり、2作目を見ます。
いやぁ……退屈でした。花婿さんがどうのとか、その辺のくだりが。

2作目にして、別の巨大怪獣を登場させているのは少し意外でしたが、雪崩が起きそうな場所に わざわざ移動してくれるゴジラさんの優しさの方が意外。

1作目のヒットを受け、急遽 作られたとか、どこかにあった気がしますが、見ていてダルくなったので、この作品は ながら見でした。

3作目はカラーになり、対戦相手はキングコング
キングコングと言うと、大きなビルにのぼって、その手の中には美女みたいなイメージしかなかったです。
金曜ロードショーで髑髏島の巨神を観ましたが、大佐にイラっとしたこと以外、すっかり忘れてしまいました。
あっ、確かイカっぽいのと戦ってましたよね。
キングコング対ゴジラでは、タコと戦っているので、伝統なんでしょうか。軟体動物と戦うの。

正直、口からアレを吐ける上に、皮膚が硬そうなゴジラと、大きいだけのコングさんでは、能力的に分が悪いと思っていましたが、帯電体質になるという忖度がありました。
せっかく、海外から出演しに来てくれた相手ですからね、五分五分くらいの戦いじゃないと、大人の事情として許されないのでしょう。

この作品と、次のモスラ対ゴジラを続けてみると、メディアの立ち位置に思うところがあります。
キングコングでは、聴取率を気にする製薬会社と、テレビクルーが滑稽な感じになっています。
モスラでは、モスラの卵を見世物にしようとする金儲け主義者に対し、新聞記者が異を唱えています。
まぁ、正確に書くとしたら、ちょっと足りないですね。
モスラがいた島の住人の意見を聞き入れ、人間不信になった彼らに……と説明すると、長くなるので、取り敢えず「異を唱えた」くらいにしておきます。

このころになると、テレビが一般家庭にも普及しているわけですよね。
東京オリンピックは1964年、キングコング対ゴジラは1962年、モスラ対ゴジラは1964年。

映画産業はテレビの普及によって衰退したなんて見方をすると、同じメディアでもテレビを滑稽に描き、新聞をそうしなかったことが興味深い。
映画村のゴジラにとっては、テレビは戦うべき相手という意味で。
まぁ、考えすぎかも。


あまり怪獣に詳しくない私は、このモスラ対ゴジラで、モスラがデビューしたような気になっていましたが、その前に単体でデビューしていたんですね。ラドンも。
ラドンと言っても、温泉しかイメージできませんでしたが、翼竜みたいな感じだと認識を改めました。

にしても、なんでモスラを蛾にしたんでしょう?
怪獣というと、恐竜っぽいイメージがあるんですけどね。
大きな虫にするにしても、人気薄な蛾を選ぶなんて……。

一方で、小人が出て来るは知っていましたし、歌も知っていました。
なぜかは、わかりません。
ただ、ドラクエラーミアの話をしたとき、誰かがモスラの解説をして、それで知っているような……。
なお、歌で知っていたのはモスラ対ゴジラの方で、キングギドラと戦う映画の歌は知りませんでした。
小人に関しては、特撮では大きく撮れるんだから、同じ要領で小さいのも撮って驚かせるぞぉ~的な導入理由かと思いきや、女性客の獲得狙いだとか。


この辺の作品の記録としての楽しみは、オート三輪です。
消防車も、今と形が違っていて新鮮です。公衆電話も赤いですね。

特撮技術に関しては、ショボいとか、そういう風には感じませんでした。
何というか、ミニチュアの中で、着ぐるみがじゃれあっていて、可愛いなくらいの感覚だったので。
合成技術も、今となっては逆に見られない合成具合なので、かえって斬新に映ります。
実写なのに、「コマが飛んだぞ」みたいな感覚も味わえます。

このころから、ゴジラはよく岩を投げるようになりますね。
足で蹴って岩肌を崩し、岩石を転がすのも。
まぁ、あの短い手ですからね。
人間相手なら、のっそのっそ歩いて、口からアレを吹いてればいいですが、同じデカいのを相手にすると、どうしても絵が……。

モスララドンと共闘して、キングギドラを倒すという展開なら、ゴジラ用の武器を用意した方が、アクションとして盛り上がった気も。ゴジラ・ハンマーとか……。
だって、キングギドラって、手は無いんでしょ? それなら、利用される危険性もないし。

以下は、ちょっと思ったことと、記録としての楽しみ。

キングコング対ゴジラのOPは、FF7セフィロス戦BGMっぽい
 ・TNT火薬という単語が出てくる
 ・北極の氷が溶ける問題は、このころから言われている

モスラ対ゴジラでは、卵の値段は1個8円(物価の優等生)
 ・ゴジラの登場は干拓地から(有明海干拓は1968年に ほぼ完工)
 ・酒瓶のラベルが今と違う

三大怪獣 地球最大の決戦では、異常気象が問題視
 ・円盤を呼ぶ人々が出る
 ・自称 金星人の予言(ノストラダムスの大予言の発売は1973年なので、その9年前)

怪獣大戦争では、ついに宇宙人登場
 ・電子計算機の計算通りに動く彼らに、AIに支配される系SFの匂いが
 ・レディガードという防犯ブザーが出てきて、「そんなもの」呼ばわり
  ※1960年代から発売されていた
 ・電磁波に操られる怪獣、脳波で動く宇宙船、他の惑星に行く地球人
 ・シェーをするゴジラ(イヤミのシェーは1964年から)
 ・宇宙船内のサンダーバード感(人形劇は1965年から1966年)
 ・キングギドラを撃退したメンツから、モスラが忘れられている

まぁ、何というか、この辺に来ると、どんどん劣化していっている感があります。
モスラで、遂に海外の人と日本語で会話をはじめ、怪獣大戦争では宇宙人とも日本語で会話します。普通に。
まぁ、彼らの言語もあるみたいですけど……。

リアリティよりも、娯楽作品としてのわかりやすさ。
その辺を重視したのでしょうか。

第1作目が好きな人にとっては、「壮大なる原作レイプの歴史みたいなもの」かもしれませんね、このシリーズは。

思うに、第1作目で全部やっちゃった感はあるんですよね。

核兵器級の脅威に対し、核を使うのかという命題。
それに対する答えが、オキシジェンデストロイヤーにある。

核兵器級の脅威を排除するものができれば、それは核以上の脅威になり得る。
だからこそ、対ゴジラ兵器として、核が使われてこなかった。

その結果、海に逃がす、火山に落とす、雪崩で埋もれさせる……といった解決法。

科学的な解決法では、電気が良く出てきます。
100万ボルトとか、ポケモンの10倍くらいの数値から、2000~3000万ボルトと幅が広いです。
中でも、驚いたのは「落とし穴」です。埋没作戦。
ビルの高層化に伴い、ゴジラがデカくなる前だから可能だったんでしょうけど、アイデアはいいです。絵面は間抜けですけど。
適当な誘導で、そこに移動してくれるところに、ゴジラの優しさを……以下略。

帰巣本能とか、いきなり言われて誘導されることもありますが。

基本、ゴジラが行方不明になるか、行動不能になって映画は終了ですが、骨になる1作目は別。
モスラの糸に絡まって海に落ちたのは、続編で「負け」扱いされているので少し別格。

とまぁ、ダラダラと感想を書いてきましたが、まだ「ゴジラが人類側」になるに至っていません。
なので、その辺は後で気が向いたら書こうと思います。

段々、内容的にしんどくなってきましたが、気になる存在がいるので 見続けるつもりです。
今、気になっているのは、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」の息子と「ゴジラ対メガロ」のロボットみたいなのです。