メモ書き

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地方創生を現実にするアフィリエイター移住計画

もう懐かしい響きかもしれない「地方創生」とう言葉。

使いやすかったのでタイトルに入れていますが、政策としてどうとかの話ではなく、地方移住に関する妄想を書いています。

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【急募】田舎に住んでくれる人《特典あり》

・家が1円、ただし小さな子供がいる家族に限る。
・牛舎と牛つき。

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ってな感じの条件で、呼ぶところも。

行ったこともないような過疎地に、誰かを呼び込むには、相応の魅力が無いとダメ。
それをクリアしたとしても、大きな懸念材料になるのが仕事のこと。

何処に行こうと、そこでの稼ぎがなければ、生活なんてままならない。
だから、まずは地方に産業を。大企業の工場の誘致をなんて、今でも言われている。
海外に工場を作った方が、コストが抑えられるケースでも。

そもそも、地方に工場を作るメリットは……なんてことを、過疎りまくりの場所に立つと思ってしまう。

ある都道府県では、1年間で人口の1%以上が減っている。
10年も経てば、今の人口の1割近くが減る計算だ。
地元民相手の客商売なら、顧客が10年で1割減の可能性を秘めていることになる。

減っていくうちに、「こうれはもう、やっていけない」という限界値を超える。
そこでA店がたたむ。
A店の顧客は、同業者のB店に流れる。
淘汰が始まり、体力があるのが残る。

ここで言う体力とは、資本のこと。
B店となるのは、大きな資本を持つ会社。

そのB店がショッピングモールなどの大型施設だとする。
そこを運営する大きな会社が、「この減少率だと、先行きが厳しい」と撤退を決めたら、そこにはもう何も残らない。

もしも、B店に大きな資本がなく、運用コスト的に残れただけなら、A店の顧客が流れ込んだ際に、処理限界を超えて別の問題を引き起こす可能性もある。

これが、生活基盤が崩れる臨界点。
減り続ける人口の中で、加速度的に過疎化が始まるライン。

そんな予想をすると、“地方での仕事”を見る目は厳しくなる。
都市部に住んでいると、「東京に憧れて出ていく」という理由が、定番に思えるかもしれない。
実際、そういう理由で出ていく人もいるだろう。
中には、地域住民との人間関係が嫌で出ていく人もいるだろう。

一方で、地元の企業に就職したところで、10年後には存在しないのではないか。
全国展開している企業でも、採算に合わないから撤退するのではないか。
経営手腕がどうの以前に、地域社会が成り立たないのではないか。
そういう不安から、出ていく人もいるだろう。

逆に、老人は動かない。
今さら、新しい土地で、新しい関係性を築くのは難しい。
というか、嫌だと思う。
そこから出たことがないから、今さら どうしていいのか わからないこともあるだろう。
同時に、長年 住んできたことで、この暮らしはずっと続くような“永遠”を感じているのかもしれない。

だが、潰れていく店を見て、知人の家が廃屋になっていくのを見て、かつて小学校だった建物が、何かの記念館になっている現状が間近にあれば、いずれ消え去りそうな街に住み続けることが、狂気にさえ思えてくるかもしれない。
「都会に憧れて出ていく」のではなく、ゆっくりと沈み始めた船から逃げ出すネズミなのだ。


あぁ、余計なことを長々と書いてしまった。
そんな状態の地方だから、新たな雇用を生み出すのは、「マジで大変だよ」と言いたかっただけなのに……。

で、本題。
仕事が無いと移住者も……と書いたが、地方での仕事を生み出すのが難しいなら、働く場所を選ばない人を呼ぶ方が、簡単じゃないだろうか?

ノマド
そう呼んでもいいのだが、タイトルをアフィリエイターにしたので、それで話を進める。

会社に行く必要がある仕事は、住む土地が限定されてしまう。
だけど、自分のサイトで稼いでいる人は、どこに住んでいるかは関係ない。
ネット上で仕事の受注、成果物の受け渡しをしている人もそうだ。

引っ越そうと思えば、どこへでも行ける。
おそらく、気軽に引っ越せる業種のひとつ。

とはいえ、イベントや仲間の関係上、都市部に集まる傾向が強い。
離島なんかに住んだら、通販の品が届かないか、送料がバカ高くなるので、「買ってみた」という体験談が制限される。

それは、それとして……。

場所を選ばない彼らなら、地方に呼び込みやすいのではないか。

問題は、来るだけのメリット。

ここで最大の武器にするのは、健康保険。

アフィリエイターは、国民健康保険に入るしかない。
一定以上稼ぐアフィリエイターにとって、その金額はバカ高い。

だから、その地域に住むアフィリエイターを対象にした組合を用意する。
関東ITソフトウェア健康保険組合」のように、あまり医療を必要としない年齢層で構成するなら、保険料は安く済む。
嫌な言い方をすれば、“これといって収入が無いのに医療費がかかる層”の負担を背負い、高い保険料を払うことがなくなる。

稼いでるアフィリエイターは、たぶん元気だろう。
おそらくは、そんなに医療費もかからない。故に、保険料も安くできる。

ついでに、確定申告のアドバイザーもつける。
もちろん。アフィリエイトに詳しい人材を。

住居は、タダで用意する。
西武ヴィラ苗場クリスタルみたいな価格で出すくらいなら、いっそ無料の方が呼び込みやすい。
売りたいときに売れず、あれこれ厄介な不動産を持ちたくない人には、長期間のフリーレントにする。

大きな物をネットで買いたい人や、あれこれ買って試している人には、物を置く場所が欲しいだろう。
その点、地方なら場所はある。倉庫付き物件も実現しやすい。

つーか、空き家ばかりだろ?
リフォーム費用を渡して好きに立て替えてもらい、「こんなリフォームしてみた」というネタにしてもらおう。
地元業者の宣伝付きで。いや、自治体のサイトへの誘導込みで。
何なら、その権利が「ふるさと納税」の返礼品でもいい。


そこまでして呼び込むメリットが、自治体にはある。

稼ぐ人は、地方の賃金では考えられない額になる。
そういう意味で、住民税というメリットがひとつ。

次に、アフィリエイターの特性がある。
どんなサイトで稼いでいるのかにもよるが、ネット上での物の売り方、集客の仕方に優れているから、彼らは稼げている。
それは、地方の商売人に足りない要素のひとつ。

何より、地元から離れたことがない人間は、その土地の特色を把握しづらい。
自分たちの何が他と大きく違っているのか、気付きにくいという意味で。

外から来た人は、その点に気づきやすく、地元民にとって想定外のウリを見つけることもあるだろう。

日本的な要素を求めてきた旅行者に、「向こうの人だから、食事も向こうの料理がいいよね」と、余計な気遣いをしてガッカリさせるようなことが、地方には まだある。

問題は、その“外から来た者の視点”の手に入れ方。
それに関しては、放っておいても手に入る可能性が高い。

頼まれずとも、「XXに移住したら驚いた意外な〇〇10選」みたいな記事を書き、集客するに違いないからだ。
それを読めば、“外から来た者の視点”が手に入る。

町おこしコンサルみたいなのを呼ばなくても、勝手にアドバイスをくれるのだ。
あとは、そこで推されてるものに乗っかるだけ。

「うちの地域は、枝豆の生産量が……」
「空気がきれいで、自然も豊かで……」

なんてアピール方法しかないと思っていたところに、

「ここで取れる珪藻土は、他所で取れるものより吸水性に優れていて……」

と言われて、「知らんかったわ」となるかもしれない。
マニアックなのを呼べば、「ここでしか使われていない異体字が……」と言い出すかもしれない。

まぁ、ASPが扱ってる商品にだけ詳しいタイプが多いかもしれないけど。


さらに夢を見るなら、新たな産業の創出という可能性もある。
大きなサイトであれば、そこに必要な労力も半端ない。

・口コミやレビュー要員(他所の引用で済ませないなら)
・記事作成要員

クラウドソーシングで受発注可能なものだが、直に会って話すことで「こういう記事が望ましい」みたいなのが、伝えやすくなるかもしれない。
その際に、「こんな感じで運営してて、収益化ポイントはここ」と説明されれば、ある種のコツも掴みやすいだろう。

あとは、運営者として成長していくだけ。
やがて、それは地方発信のメディアに繋がるかもしれない。
サイト運営を分業化し、組織的に行うようになり、会社となるかもしれない。

まぁ、手っ取り早く、サイトを買うという手もあるだろう。
運営マニュアル付きのヤツを。

そんなこんなで、地元民の数を気にしなくていい商売が地方に誕生する。
リアルで過疎化して、ネット上でも過疎化したら、その土地に希望は無いが、少なくともネットでの存在感が増せば、可能性みたいなものは広がるだろう。

可能性って言葉は、ゼロじゃない限り連発できるので、何の説得力も持たないけども。

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そもそも、地方創生に意味はあるのかという疑問もある。
機能が集中した方が、効率がいい的な発想だ。
その返しで、わかりやすいのはリスク分散。
一ヵ所位集中し、そこで大きな地震があったら怖い。

「卵は一つのカゴに盛るな」である。

とはいえ、地方が残るにしても、バラけ過ぎてるよりは、少しは集まるべきである。
いわゆるコンパクトシティの形成だ。
雪国なんて、集まった方が除雪箇所が少なくて済む。

機能的な場所を用意し、そこに移り住もう。
その方が効率的だという取り組みもあっただろう。
確か、青森だったかな。

でも、人は動かなかった。
住み慣れた土地を離れようとはしなかったはず。

「どうして?」

というのは、それぞれに聞かないとわからない。
実際に聞いた様子も見ていない、というか注目していなかった。

まぁ、何というか、噴火があっても土地を離れない人がいるくらいだ。
そこに住むことが「すべて」になっている人もいるのだろう。

それは東京にも言えるのではないか。

老朽化したマンションに住み、そこが「すべて」になっている人がいて、ずっと居続けたいけど金銭的に余裕がない。
修繕は必要だけど、修繕積立金が足りないから工事はしない。
管理人もほしいけど、誰も来ないし、満足に賃金も払えない。

気付けば荒れ果て、やがて事故が起こる。
居住権は強い権利なので、強制的に対策を講じるのも大変だろう。

そして、何十年か後には、問題が山積みのマンションだらけの東京になる。
となると、そこを見捨てて他に行ける場所がほしいので、その候補地として地方を育てておくのだ。

遷都である。

それが地方を見捨てない意味。

地域の文化とか、風習なんてものでは動かない。
いつの日か、東京をXXX山にするために、地方に資金を回すのだ。

新しい時代にあった都市をデザインし、そこに住む利点と理由を作る。

テーマはシェア。

と書いたところで、なんか飽きてきたのでやめにする。


タイニーハウスって、見てる分にはワクワクするよね。