メモ書き

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職場での変化を嫌う人間だった頃の話

「無難」「妥当」という言葉の使用頻度が、やけに高い時期がありました。

ある会社で働いて頃の話です。

よく、仕事の効率化を図るために改善案を出すと、普段は作業に文句を言っているのに、反対してくる古参社員がいるという話を目にします。

まぁ、何というか、それでした。

別に古参じゃなかったんですが、一年もいると社風という名の風を受けすぎて、新しいもの嫌々病になったんですね。

新しいことを覚えたくないとか、改善案を出した人が気に食わないとか、そういうことでは ありませんでした。

単純に、何かを変えようとしたときの人間関係が面倒になっていたのです。

絶妙なバランスで成り立っている会社の人間関係だったので、どこかを変えることで不利益が生じる人が出て、ギスギスするんじゃないかという不安に怯えていたのでしょう。

ちなみに、ワンマン社長だったので、改善案を出した後の結果は、社長の判断次第。

先に上長に見せ、「いいね」と言われても、後で社長が「ダメ」と言えば、上長も「ダメ」と言いかえる会社でした。

そして、「ダメ」と言った後に、社長の説教が始まります。
場合によっては、社長が行きつけの喫茶店に呼び出され、ホットコーヒーがアイスコーヒーになるまで、ねちねちと文句を言われます。
改善案に対しての文句ではなく、人格否定みたいなものです。

だから、新しいもの嫌々病になって、何の変化も求めないようになったのかも。

まぁ、中には自分の案を通すために他者の案を潰す人がいたり、ノリと勢いだけで余計なことを推し進めて、利益に繋がらない手間を増やしたりする人もいましたが……。

その会社を離れ、今になって思うのは、組織の中に組み込まれた自分が、つまらない存在だったなということ。
協調性やことなかれ主義、誰とでも仲良く精神が、大きな停滞を生み出す要因になる。
そんなところでしょうか。