メモ書き

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異世界転生のリアリティ

異世界転生ものは「現実逃避」「妄想の極み」と言われているのを何度か見ていしますし、現実世界が舞台じゃないこともあって、「リアル」とかけ離れた存在に思えていました。

ですが、あることを知ってから、思わぬリアルさを感じました。


そのキッカケとなったのは、定年退職した人が書く小説の内容。
応募してくる小説は、パッとしない定年間近のサラリーマンが、思わぬ活躍をして新入社員の美人に好かれるみたいな展開が多いとか。

それを知って、真っ先に思い浮かべたのは、下読み嬢が書いた本のこと。

いつも官能小説を投稿してくる爺様がいて、その内容は年配の主人公が若い女性の相談にのり、それを解決してベッドインみたいなパターン。
必ず出てくる台詞は「堪忍して」と「若い者にはない何とか」みたいもの。

なんていうか、なろう展開と大差ないですよね。

でも、関係性のリアリティという点で考えると、定年間近のそれも爺様のそれも、異性を惹きつけるほどのものかと思えてしまいます。

ここで、ネットで見かけた女性側の妄想を一つ。
理想の男性に好かれる自分を妄想したけど、自分のようなのを好きになる時点で、理想の男性からかけ離れてしまうから、妄想内でのヒロインを自分以外にチェンジしたそうです。

この考えで言うなら、冴えない男に惹かれるヒロインというのは、どうなんだということになります。
例えば、魅力的だと思える女性がいたとして、その人が自分的には「無いな」と思える同性を好きだと知った瞬間、「趣味が悪い」と思って評価が下がるみたいなこと。

先の爺様が書いた小説を同年代の爺様が読めば、理想的なヒロインに映るかもしれない。
でも、若者が読むと「あんなヨボヨボに惚れるなんて、この……」となるのではないか。

そう考えると、転生して惚れられる要素満載の人間になる方が、関係性のリアリティはあるのではないでしょうか。

もはや、自分と似たような存在では、リアリティが無さ過ぎて夢が見られない。
だから、来世に期待。
そんなことを少し思いました。