2019年12月、アフガニスタンで銃撃により命を落とした医師・中村哲。長年、戦乱が続く地での医療活動に、飢餓を救うための用水路建設に奔走した中村の生涯に迫る。
中村哲医師のドキュメンタリーの感想です。
無き故人を偲び、その生い立ち、人柄、功績を振り返るような内容なので、そういう感想こそ抱くべきでしょうが、“用水路建設”のパートが気になって、他が抜けていきました……。
続けて、「アフガニスタン人道危機」も見たので、そっちとごっちゃになっている箇所もあるかも。
世界最悪の人道危機が懸念されているアフガニスタン。厳しい冬を迎え、命をつなぐため奔走したアフガニスタンの人々と日本から支援する国際NGOペシャワール会に密着。
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用水路を作ったのは知っていましたが、取水口の作り方に関しては初めて知りました。
現代では基本、上の画像のような感じで設置します。
だから、同じようにしたものの、それだと河川が氾濫するとダメになる……。
で、故郷の河川を参考に“斜めに”堰を作るわけです。
水田に水を引く灌漑(かんがい)設備で、225年前の江戸時代に築造された。大がかりな機材がなくても造れることが特徴。
斜めにすることで、水の流れを中央に寄せ、取水口に流れていく水の勢いを弱める……。
まぁ、そんな感じの内容でした。
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なんで、これが印象に残っているのかと言えば、端的に言えば「先祖のおかげ」というのを実感したから。
山田堰に限らず、治水に関するエピソードは、古くからあります。
戦国武将が何をしたとか、そういう感じで。
こういった過去の人々のアイデアが、今も暮らしの中で息づいているわけです。
ということは、彼らが存在しなかったら、今の日本は違った風景になっていた……。
もしかしたら、パキスタンやアフガニスタンには“彼らのような存在”が歴史上、いなかったのではないか。
そう思って、メモした次第。
で、治水の世界史でも見ようかと思ったら、日本の特殊性に触れるという……。
「これは川ではない、滝だ」
川の流れが速いうえに、地震があって、台風も来る……。
他国で十数年に一回規模の災害が頻発するなら、見方も違うよね。
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あと、そうだ。
こういった治水工事のノウハウ、できれば資材や機材が不足していても行う方法を紹介する動画なんかが、新たな支援のカタチとなるんじゃないかなって。
『授人以魚 不如授人以漁』
文字通り「人に魚を授けることは、漁の仕方を教えるに及ばない」ということ。一時の支援では無く、今後の事を考えてその人が独り立ちできるようにすることが、本当の意味でその人の為になる大切なこと