2017年のデータだと、平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳。
生きられる年数と見れば、80年以上という数字に進歩的なものを感じるかもしれない。
逆に、死ぬまでに80年以上もかかると捉えれば、ネガティブな想像が広がっていく……。
また逮捕された“女子高生コンクリート詰め殺人事件”の彼は46歳だが、平均寿命まで生きると思うとゾッとする。
一方で、好ましい人物が46歳だったとしたら、平均寿命まで生きるとしても、「もっと、元気でいてほしい」という思う。
長生きには、善悪も社会貢献も関係ない。
そう考えると、残酷な数値にも思える。
別の嫌な見方をして、人間を樹木と捉えてみる。
“労働”という果実を実らせる樹木「人間」は、大卒であれば実をつけるまでに22年かかる。
非常に手間のかかる樹木で、特に最初の数年は病気にかかりやすく、育てるのには多くの人手を要する。
実をつけるようになっても、60年くらいで実の評価が下がる。実質、38年の収穫。
その38年も、何も問題がなければの話であって、病気になったり、何らかの虫や動物にやられたりする。
なのに、何の問題もなく38年が経過することを前提にして、いろんな話が進んでいく。
あまり実をつけないからといって、切り倒されることが許されない樹木なので、古びた木や実が足りない木は、他の木の実でカバーする……。
中には、無意味に他の木を枯れさせるのも出てくる。
実をつけ始めた木を短期間で使い潰し、病気の木に変えてしまうのも出てくる。
もし、こんな植物があるなら、育てるだろうか?
せめて、短期間で使い潰す存在を何とかしないと、植える気にもならないのではないか。
病気の木を増やしたら、その使い潰した存在だって、回りまわって苦しくなるというのに。